GHK AUG A3ガスブローバックリアル化最終段階〜ずっと気になっていたボルトストップレバーを自作(ダミーだけど)して追加してみた…
GHKがAUGのA3だと何かとち狂って僭称しているガスガンをリアル化することをもう3年もやっている。
ストックが黒だったのをウレタン塗料のODで塗装してオーストリア軍のODカラーにした。
ピカティニーレール仕様だったのがスワロフスキースタイルのスコープサイトを台湾から取り寄せて付け替えた。
オーストリア軍がみんなやってるAimPointとの2階建サイトを実現するためフランスのAUGアクセサリーメーカーのClawGearのスコープサイトカバーを輸入してもらって入手した。
オーストリアスタイルのBFAも自作して、斜めレールも取り付けて…かなり現用軍スタイルに近づいた…と思うのだが気になっていることがあった。
AUG A3で追加されたボルトストップレバーがない。
これがずっと気になっていた。
それで先日KWAのF90を手に入れたので、それについているボルトストップレバーを型取りしてAUGにつけることをずっと考えていた。
できればライブにしたかったが、ヒンジ構造はなんとかできるとしても、ボルトストップとどう連携させるかのアイデアが浮かばなかったので見てくれだけのダミーにした。
もともとKWAとGHKではボルトストップの構造が
全然違うので部品をそのまま流用することはできない
GHKに合わせた連携が難しそうなのでガワだけ型を取ることにした
L85のBFAの時は粘土を使ったが年度はヒートガンで固めると
どんどんひび割れして崩壊したので今回は子供の工作用の紙粘土を試してみた
この型にレジンを流し込んで固めていく
紙粘土の型は思惑通り熱を加えてもひび割れて崩れたり
しないのはいいのだがスが入りやすいのが予想外だった
いくつか作って一番マシなやつを選んでこれを削ってそれらしい形にしていく
結局ボルトストップとの連携のアイデアが浮かばなかったので
ライブにするのは諦めてダミーにした
ただストックに瞬間接着剤で貼り付けるだけでは何かの弾みで
剥がれるのでアルミのベースをストックに開けた穴に固定する
このアルミベースをボルトストップの上下に連動させたかったが
回転運動を上下動に合わせるアイデアが…
何か思いついてらそのうちまたやり直すが今回はダミーで
かなり削りだして型のスも解消して形にした
実銃は黒染め部品なので例によってブラッセンで黒く塗装した
こうして完成したAUG A3現行バージョン完成形
ボルトストップレバーが追加されただけの違いで見かけは大した違いはないかもしれない
でもAUGに思い入れがある私にとってはこれがあるとないとでは大違いだ
なぜこんな小さな違いにこだわるのかという話。
実はAUGのG3の本物か偽物かを見分けるメルクマールがこのボルトストップレバーだと思うから。
そう思う経緯は以下。
そもそもAUGのバージョンの呼称というのは日本のマニアの間ではかなり混乱していた。
東京マルイがAUGのタスコスコープ固定のミリタリーバージョン、ウイーバーレールをレシーバーにつけて好みのスコープをつけられるスペシャルバージョンを電動で発売した。
このスペシャルバージョンという呼び方もちょっと誤解があるのだが、なぜか一部の雑誌がミリタリーバージョンをAUG A1、レールバージョンをAUG A2と呼んでこれが結構広がってしまった。
正しくはコッキングレバーのボルトフォワードアシストボタンが廃止されレバーを上に傾けるとロックする改良が加えられたのがAUG A2でレール付きのA1もA2もあるのだがなぜかレールがついているのがA2ということになってしまった。
さらにGHKがスワロフスキータイプのミリタリースコープをつけたA2に、RASをつけただけのバージョンをAUG A3として売り出しちゃったからあれがA3だと思い込んでいる人が多い。
GHKのA3のRASは全然リアルじゃないし、RASがついているのがA3ではない。
マルイがスペシャルバージョンとして売り出したウイーバーレール付きAUGのモデルになった実銃
これはボタン式コッキングレバー付きなのでAUG A1で説明では民間向けバージョンとのこと
スペシャルでもないしA2でもない
WikiPediaの写真ではA2になっているが右側面の写真だけなのでA1かA2か判断できないが
ああいう写真を載せるからレール付きがA2みたいな誤解が生まれるんだと思う
これが本当のAUG A2でコッキングレバーはボタンが廃止され
ボルトフォワードアシストはレバーを上に傾けてロックする形に改良された
あとスコープの上にRMRなどをマウントできる突起も追加された
GHKが頑なにA3だと言い張って売っているAUGガスブローバックエアガン
AUGのA3に移行するときにフロントのレールユニット付きを「CQBバージョン」としてSteyrが試作した
しかし結局このモデルはオーストリア軍には採用されずガンショーのコンセプトモデルで終わった
GHKがモデルにしているのはおそらくこれなんだけどフロントのデザインが全く似ていない
GHKが何を考えてあの変なデザインのレシーバーにしたのか本当に不明
実際にオーストリア軍に採用されたA3はこちら
スコープは3面のピカティニーレールタイプになり全数上にAimpointを載せる運用になった
A3の特徴はレシーバー右側の斜めレール、マガジンウエルの左側に追加されたボルトストップレバー
スコープは取り外し式になったので全通のレールをレシーバー上につけることもできる
これが本当のAUG A3なので斜めレールとボルトストップレバーがついていないとA3じゃない
よってGHKはA3じゃない
(上)ミリタリースコープに戻したGHKのAUG A2ガスブローバックエアガンと
(下)KWAのF90ガスブローバックエアガン
黒ストックのGHKはスコープを台湾から取り寄せてノーマルミリタリーバージョンに戻した
上のA2をA3化するにあたってこのボルトストップレバーを再現しないといけない…
という使命感はおわかりいただけたかな…レールつければA3じゃないんだよ
(上)東京マルイのAUG A1電動ガンと(下)GHKのAUGをA3化したガスガン
出発点が上で到達点が下という感じでダミーではあるけどボルトストップレバーをつけて
やっとGHKのAUGは本当にA3になった…と思っている…例によって自己満足な酔狂だが…
ちなみに最近軍や警察で採用されているAUGの最新モデルは
こんな感じのフロントレールユニットをつけている
万物は移ろいゆく…ということやね
これは開発過程のAUGの原型の変遷
AUGは開発が始まった1970年ごろにはメカやストックのデザインは
ほぼ完成しておりこれは現在もそう変わらずそのまま継承されている
ただ試作当時からサイトのデザインはいろいろと変更がありそれは現在も続いている
1971年の初期試作品はアメリカのM16と同じオープンサイト付きキャリーハンドルをつけていたが
この照準線の長さ不足で命中精度に疑問を投げかけられるとスコープ付きに改良した1973年
そのスコープのレイアウトがなかなか定まらずにやっと1977年にお馴染みの形になって制式化
しかしこのスワロフスキーのスコープも近代戦向きではないということで今でも変遷が続いている
2010年代ごろからオーストリア軍の標準装備になったAUG A3に寄せたGHKのAUGガスガン
マガジンハウジング左側のボルトストップをダミーではあるものの再現したので
ずっと気になっていた外観はやっと完成したということになる
ボルトストップをライブにする工作も検討していたがボルトを
リリースする方の連携メカでいいアイデアが浮かばなかったのでダミーにした
そのうち何か思いついたらまたトライしてみるが一応AUG A3はこれで完成
2025年6月11日
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